- ながれる
- ながれる【流れる】(1)液体がある方向へ自然に移動する。
「下水がつまって水が~・れない」「血管の中を血が~・れる」「沿岸を黒潮が~・れる」
(2)汗・涙・血などが体内から出る。「額から血が~・れている」「汗が滝のように~・れる」
(3)水の流れによって物が動かされる。 (ア)物が水の流れによって運ばれる。「川上から大きな桃が~・れてきた」(イ)水の流れによって破壊され, 動く。 また, 水の流れや土砂のために失われる。 流失する。 「大雨で橋が~・れる」「大水で田畑が~・れてしまう」「鰻(ムナギ)を取ると川に~・るな/万葉 3854」
(4)空中を移動する。 (ア)風などによって霧・煙状のものや気体などが移動する。「雲が東へ~・れてゆく」「台所から魚を焼くにおいが~・れてくる」「壁の穴から冷気が~・れてくる」(イ)電気が電線の中などを伝わる。 「回路を電流が~・れる」(ウ)音や声が音響装置を通してその辺りに聞こえている。 「店にはいつも音楽が~・れている」「受話器から男の声が~・れてきた」(エ)情報・うわさが広まる。 また, 後世に伝わる。 「首相辞任のうわさが~・れる」「仏法東に~・れて/三宝絵詞(中)」(オ)ある雰囲気が充満する。 「一瞬, 不穏な空気が~・れた」
(5)長い年月が経過する。「一〇年の歳月が~・れた」「時は~・れ, 人は去り…」
(6)物が川の流れのように継続的に動いてゆく。「首都高速は現在, 順調に車が~・れています」「ベルト-コンベヤーを部品が~・れてゆく」
(7)人や物が, これまでの行き先・経路とは違った方へ移動する。「地下鉄の開通でお客が都心のデパートへ~・れてしまった」「メーカーの意に反して安売り店へ~・れる品物も多い」
(8)人が本来の場所にいられなくなって別の場所に行く。「田舎町へ~・れてきた女」「諸国を~・れ歩く」
(9)ある好ましくない傾向になる。「生活が怠惰に~・れる」「形式に~・れる」
(10)ちゃんと落ち着いていないで動き出す。 (ア)下へ向かって自然に動く。「はずしたスキーが谷へ~・れそうになる」(イ)動作がきまらない。 足などが安定しない。 「足が~・れてばったりと手をつく」(ウ)画像が乱れる。 「画面が~・れる」(エ)絵の具・染料などが水で溶け出して絵や図柄がくずれる。 「字が雨で~・れてしまう」
(11)実現する前にだめになる。 (ア)流産する。「おなかの子が~・れる」(イ)質に入れた品物を受け出す期限が切れて, 所有権がなくなる。 「形見の時計が~・れる」(ウ)計画・予定されたものが実現しなくなる。 「会議が~・れる」「雨で試合が~・れる」
(12)人の手から手へ移る。「かはらけあまたたび~・れ/源氏(行幸)」
(13)流罪になる。「天下人々~・るるとののしる事出で来て/蜻蛉(中)」
〔「流す」に対する自動詞〕流れての世のちの世。 末の世。「世々ふれど面変りせぬ河竹は~の例なりけり/金葉(賀)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.